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【北海道】就労継続支援A型・B型の開業!指定申請の流れと要件【2025年4月版】


北海道内で就労継続支援A型またはB型の事業所を開設し、障害福祉サービスを提供するためには、事業所の指定(許認可)を受ける必要があります。この指定は、原則として北海道知事が行いますが、事業所の所在地が札幌市、函館市、旭川市の場合は、それぞれの市長が指定を行います。
この記事では、北海道(札幌市、函館市、旭川市を除く)における就労継続支援A型・B型の指定申請手続きの概要について解説します。
就労継続支援A型・B型とは
- 就労継続支援A型: 一般企業等での就労が困難な障害のある方に対し、雇用契約に基づき、生産活動などの就労機会や、就労に必要な知識・能力向上のための訓練等を提供するサービスです。利用者は雇用契約を結び、原則として最低賃金以上の賃金が支払われます。
- 就労継続支援B型: 一般企業等での就労が困難な方(就労経験がある方など)に対し、雇用契約を結ばずに、生産活動などの就労機会や、就労に必要な知識・能力向上のための訓練等を提供するサービスです。利用者は生産活動に応じた工賃を受け取ります。
北海道内(札幌市、函館市、旭川市を除く)でこれらのサービスを提供するためには、障害者総合支援法に基づき、事業所ごとに北海道の指定を受けることが必須です。
指定申請の流れ
指定申請の大まかな流れは以下の通りです。
- 事前相談:
- 事業計画、人員配置、設備等について、事業所所在地を管轄する総合振興局(振興局)の社会福祉課(札幌市、函館市、旭川市の場合は各市役所担当課)に必ず事前に相談してください。
- 相談は事業開始予定日の3ヶ月以上前までに行うことが推奨されています。
- 申請書類の準備・提出:
- 指定申請書、付表、添付書類等を準備します。
- 書類がすべて整ったら、事業開始予定日の1ヶ月以上前までに、管轄の窓口へ郵送(簡易書留)で提出します。
- 申請手数料は無料です。
- 審査:
- 提出された書類の内容について審査が行われます。必要に応じて書類の補正や再提出、現地確認が求められる場合があります。
- 指定・公示:
- 審査の結果、基準を満たしていると判断されると指定が行われ、事業者番号等が通知されます。
- 指定内容は北海道のホームページ等で公示されます。
指定の主な要件
指定を受けるためには、法人格、人員、設備、運営に関する基準を満たす必要があります。
(1)法人格
- A型: 専ら社会福祉事業を行う法人であること。
- B型: 法人であること。
いずれの場合においても、定款の事業目的に「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス事業」といった記載が必要です。
(2)人員基準(A型・B型共通)
職種 | 配置基準 | 備考 |
---|---|---|
管理者 | 原則、管理業務に専従(兼務可)。資格要件あり。 | 資格要件:社会福祉主事、社会福祉事業2年以上従事、企業経営経験等 |
サービス管理責任者 | 利用者数に応じて配置。1人以上は常勤。実務経験・研修要件あり。 | 利用者60人以下:1人以上、61人以上:40人又は端数を増すごとに+1人 |
職業指導員 | 1人以上配置。 | 職業指導員と生活支援員のいずれか1人以上は常勤 |
生活支援員 | 1人以上配置。 | |
職業指導員及び 生活支援員の総数 | 常勤換算で利用者数を10で除した数以上。 | 常勤換算方法は北海道の定める基準等で要確認 |
(3)設備基準
- 訓練・作業室: 訓練や作業に支障のない広さがあり、必要な機械器具等を備えていること。
- 相談室: プライバシーに配慮し、間仕切り等を設けること。
- 洗面所・便所: 利用者の特性に応じたものであること。
- 多目的室その他運営に必要な設備
(4)運営基準
- 運営規程の作成・整備
- 個別支援計画(就労継続支援A型計画/B型計画)の作成・実施・評価
- 利用者との雇用契約の締結(A型)
- 賃金(A型)・工賃(B型)の支払いに関する規定と適切な支払い
- 生産活動、実習、求職活動、職場定着支援の実施
- 利用者・家族からの苦情解決体制の整備
- 緊急時・非常災害時の対応計画策定と訓練実施
- 虐待防止のための措置(責任者設置、研修実施等)
- 秘密保持、記録の整備・保存など
指定申請に必要な書類
主な提出書類は以下の通りです。詳細は北海道のウェブサイトや担当窓口で確認してください。
- 指定(更新)申請書(別記第1号様式)
- 付表12(就労継続支援事業所の指定に係る記載事項): A型・B型共通。
- 多機能型の場合は付表15、従たる事業所がある場合は付表12-2も必要。
- 添付書類:
- 申請者の登記事項証明書または条例等(A型は定款・寄附行為等も必要となる場合があります)
- 事業所の平面図、写真
- 管理者・サービス管理責任者の経歴書
- 運営規程
- 利用者からの苦情を解決するために講ずる措置の概要
- 従業者の勤務体制・形態一覧表、組織体制図
- 設備・備品等一覧表
- 協力医療機関との契約内容がわかるもの(写し)
- 実務経験証明書/実務経験見込証明書
- 誓約書
- サービス管理責任者研修修了証(写し)
- 従業者の資格証(写し)
- 雇用証明書/雇用確約証明書または雇用契約書(写し)
- 建築基準法・消防法の検査済証等(写し)または申立書
- 非常災害対策計画
- A型の場合:生産活動会計の事業及び収支計画書
- その他、必要に応じて提出を求められる書類
- 障害福祉サービス事業等開始届(別記第10号様式)
- 介護給付費等算定に係る体制等に関する届出書(様式第5号)、体制等状況一覧表、別紙様式: 加算算定の有無に関わらず提出が必要です。
書類作成・提出の注意点:
- 最新の様式は北海道のウェブサイトからダウンロードしてください。
- 記載例を参考に正確に記入してください。
- 書類は「指定(更新)申請書」「付表」「添付書類」の順にフラットファイル(A4-S 2穴)に綴じます。
- 添付書類はチェックリスト等の順番に並べ、インデックスを付けます。
- 提出部数は1部ですが、申請者控え(副本)を作成・保管してください。
- 写しを提出する書類には原本証明が必要です。
相談・申請窓口
申請に関する相談や書類の提出は、事業所の所在地を管轄する各総合振興局(振興局)の保健環境部社会福祉課が窓口となります。
- 札幌市、函館市、旭川市に事業所を設置する場合は、それぞれの市役所担当課が窓口です(連絡先は各市のウェブサイト等でご確認ください)
指定後の手続き
指定を受けた後も、以下のような手続きが必要となります。
- 体制届の提出: 加算の算定状況等に変更があった場合に提出します。
- 介護給付費等の請求: 北海道国民健康保険団体連合会(国保連)への届出・請求手続きを行います。
- 変更申請: 利用定員の増加など、特定の事項を変更する場合に事前の申請が必要です。
- 変更届の提出: 事業所名、所在地、管理者、運営規程等の変更があった場合、10日以内に提出します。
- 廃止・休止・再開届の提出: 事業を廃止・休止する場合は1ヶ月前までに、再開した場合は10日以内に提出します。
- 指定更新申請: 指定の有効期間は6年間です。期間満了前に更新申請が必要です。
- 業務管理体制の整備に関する届出: 全ての事業者で届出が義務付けられています。
- 障害福祉サービス等情報公表制度に基づく報告: WAM NETを通じて事業所情報を報告・更新します。
- 自己点検の実施: 定期的に人員・設備・運営基準等の遵守状況を自己点検します。
まとめ
北海道で就労継続支援A型・B型事業所の指定を受けるには、各種基準を満たした上で、定められた手順に従って申請を行う必要があります。特に、事前相談や書類準備には時間を要するため、余裕を持ったスケジュールで進めることが重要です。
免責事項: この記事は、北海道のホームページで公表されている情報に基づいて作成されています。制度や基準、様式等が変更されている可能性があります。また、本記事はあくまで概要であり、実際の申請にあたっては、必ず最新の情報を北海道の担当部署や各市の担当窓口にご確認ください。
参考資料
コラム:北海道庁とは
日本最大の面積を誇る都道府県、北海道。その広域な行政を円滑に進め、道民一人ひとりの暮らしを多方面からサポートしているのが「北海道庁」です。政策の企画立案から具体的なサービス提供まで、北海道庁が担う多岐にわたる活動と、道民にとっての窓口機能についてご紹介します。
多様な行政サービスと地域を支える組織
北海道庁は、福祉・医療、教育・文化、産業振興・雇用支援、環境保全、防災対策など、道民生活の基盤となる様々な分野で行政サービスを提供しています。これらのサービスに関する申請手続きや相談窓口は、札幌市にある本庁だけでなく、道内各地に設置された「総合振興局」および「振興局」でも対応しており、地域住民が身近な場所で必要な支援を受けられる体制を整えています。
情報発信拠点としての役割と札幌の本庁舎
現代の行政において、情報発信は重要な役割を担っています。北海道庁も公式ウェブサイトなどを活用し、道政に関する最新情報、各種手続きの案内、イベント情報、防災情報などを広く道民に提供しています。札幌市中央区にある本庁舎は、行政の中枢機能を持つと同時に、これらの情報を集約・発信する拠点でもあります。また、隣接する「赤れんが庁舎(北海道庁旧本庁舎)」は、北海道の開拓の歴史を伝える貴重な建物であり、多くの人々が訪れるランドマークとなっています。