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就労継続支援B型運営の鍵!「会計の区分」と「就労支援事業会計」の基本


就労支援事業会計とは? なぜ特別なルールが必要?
就労継続支援B型事業所の運営には、「就労支援事業会計」という独自の会計ルールが適用されます。これは、社会福祉法人会計基準などをベースにしつつ、就労支援サービス特有の事情に合わせて調整されたものです。なぜ一般企業と異なる会計ルールが必要なのでしょうか? B型事業所は、訓練等給付費などの公費で運営される側面と、利用者が生産活動を行い収入を得て工賃を受け取る事業的な側面を併せ持っています。そのため、公費の使途の透明性を確保し、利用者に支払う工賃を生産活動の成果から正確に計算・分配するために、特別な会計処理が求められるのです。
就労支援事業会計における「会計の区分」
就労支援事業会計の最も重要な原則の一つが「会計の区分」です。指定基準では、まず事業所ごとに経理を区分し、さらにB型事業の会計を他の事業(もしあれば)の会計と区分することが求められています。その上で、B型事業の会計内部を、さらに「福祉事業活動」と「生産活動」に明確に区分する必要があります。福祉事業活動区分には、訓練等給付費収入や利用者負担金を財源とする支援活動(生活支援員等の人件費、訓練経費など)が計上されます。一方、生産活動区分には、利用者が関わる物品製造・販売等の活動(売上、材料費、工賃、生産活動に従事する職員の人件費など)が計上されます。
共通経費の按分:正確な区分経理のポイント
事業所全体の家賃や水道光熱費、管理者の給与など、福祉事業活動と生産活動の両方にまたがる共通経費が発生します。これらの共通経費は、単にどちらかの区分に入れるのではなく、使用面積比率や業務時間の配分比率、関与する利用者数比など、実態に即した合理的な基準に基づいて各区分に適切に配分(按分)しなければなりません。按分基準は客観的で継続的に適用できるものを選び、その根拠を明確に記録しておくことが重要です。この正確な区分と按分が、適正な工賃計算とコンプライアンスの基礎となります。