就労継続支援B型とは？事業の概要と開業までのステップを解説

就労継続支援B型事業所の役割

就労継続支援B型（B型事業所）は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの一つです。一般企業での就労が難しく、雇用契約に基づく就労も困難な障害のある方々に対し、生産活動などの機会を提供することを目的としています。利用者は、作業を通じて就労に必要な知識や能力の向上を目指し、社会参加の機会を得ます。B型事業所は、利用者のスキルや適性に応じた多様な作業（軽作業、部品組立、データ入力、農作業、清掃など）を提供し、それぞれのペースに合わせた支援を行います。A型事業所とは異なり、利用者と雇用契約を結ばない点が大きな特徴です。

開業に向けた準備：法人設立から指定申請まで

B型事業所を開業するには、まず運営主体となる法人格（NPO法人、社会福祉法人、株式会社など）を取得する必要があります。法人設立後、事業所を設置する都道府県または市町村に、障害福祉サービス事業者としての「指定申請」を行います。この申請には、事業計画書、人員配置計画、設備図面など多くの書類が必要です。指定を受けるためには、管理者、サービス管理責任者、職業指導員、生活支援員といった人員基準と、訓練・作業室、相談室などの設備基準を満たす必要があります。設立・運営には初期投資と運転資金が必要となるため、訓練等給付費や生産活動収入を見込んだ現実的な資金計画の策定も不可欠です。