はじめに:日本の労働市場と外国人材政策の新たな動き
日本は今、急速な少子高齢化と人口減少により、多くの産業で深刻な労働力不足に直面しています。この課題に対応するため、日本の外国人労働者政策は大きな転換期を迎えています。背景には、国内の労働力不足に加え、国際的な人材獲得競争の激化があり、日本が外国人材から「選ばれる国」になる必要性が高まっていることがあります。こうした状況を踏まえ、長年にわたり運用されてきた技能実習制度(TITP)が発展的に解消されることになりました(注:政府は「発展的に解消」または「抜本的に見直し」と表現しており、実質的には制度変更やアップデートと捉える見方もあります)。その代替として新たに「育成就労制度」が創設され、日本の外国人材受け入れは新たな段階へと移行します。この新制度は、単なる労働力の受け入れに留まらず、外国人材を計画的に育成し、特定技能制度へとつなげることで、日本社会と外国人材双方にとってより良い未来を築くことを目指しています。本記事では、この「育成就労制度」がどのような制度なのか、その全貌を詳しく解説していきます。
育成就労制度とは?:主な目的と基本原則
育成就労制度は、これまでの日本の外国人材受け入れのあり方を大きく変える可能性を秘めた制度です。その根幹には、明確な二つの目的と、それを実現するための基本原則があります。
「人材育成」と「人材確保」:制度の二大目的
この制度は、以下の二つの公式な目的を掲げています。
- 人材育成:指定された産業分野(育成就労産業分野)において、特定技能1号(SSW1)レベルの技能を有する人材を育成すること。
- 人材確保:当該分野における人材を確保すること。
技能実習制度が「国際貢献」を主な目的としていたのに対し、育成就労制度では日本の国内事情である「人材確保」を正面から目的として認めた点が、大きな政策転換と言えます。これは、技能実習制度における「目的と実態の乖離」という長年の批判に応え、政策の透明性を高める狙いがあるとされています。
制度運用の基本原則
政府が示す本制度の基本原則には、以下の点が挙げられます。
- 原則3年間の就労を通じた育成期間で、特定技能1号(SSW1)水準の人材を育成する。
- 受入れ対象分野を、原則として特定技能(SSW)の特定産業分野と一致させる。
- 一定要件下で、本人意向による転籍(転職)を認める。
- 外国人労働者の支援・保護体制を強化する(新たな監督・支援機関の設置など)。
- 送出し国との連携(二国間協力覚書:MOCの締結など)を通じて、適正な送出し手続きを確保する。
これらの原則は、技能実習制度の課題を踏まえ、より実態に即し、労働者の権利保護とキャリア形成に配慮した制度設計を目指すものです。
なぜ変わる?:技能実習制度(TITP)から育成就労制度へ
育成就労制度の創設は、長年運用されてきた技能実習制度(TITP)が抱えていた多くの深刻な問題への対応が不可避となったことが直接的な背景にあります。技能実習制度は、これらの問題を踏まえ「発展的に解消」されることになりました。
技能実習制度が抱えていた主な問題点
技能実習制度は、その運用期間中に国内外から厳しい批判に晒されてきました。主な問題点としては以下のようなものが挙げられます。
- 制度目的と実態の乖離:本来の「国際貢献」「技能移転」という目的と、実態としての「労働力不足への対応」との間に大きな隔たりがありました。
- 深刻な人権侵害:低賃金、違法な時間外労働(月平均170時間を超える例も報告)、暴力やハラスメントは後を絶たず、賃金未払い(総額1100万円に上る事例も)や、劣悪な住環境(私物収納スペースや消火設備の不備など)も問題視されました。中には「奴隷状態」との指摘や、非公式な妊娠・出産禁止ルールが存在したケースもあり、人権擁護の観点から大きな課題がありました。
- 転籍の制限と失踪者の増加:原則として実習生自身の意向による職場変更(転籍)が認められなかったため、劣悪な労働環境から逃れることが困難でした。結果として失踪する実習生が後を絶たず、その数は近年増加傾向にあり、2022年は9,006人、2023年には過去最多となる9,753人に達しました。失踪の背景には、低賃金や来日時に負った借金問題が複合的に関連していると指摘されています。
- 高額な手数料と借金問題:送出し国の悪質なブローカーや一部の送出機関が、実習生から高額な手数料や保証金を徴収するケースが横行していました。例えばベトナムでは平均約65万円の手数料が徴収され、法定上限を超過する例も報告されています。実習生は来日前に多額の借金を背負うことになり、これが低賃金や劣悪な待遇を甘受せざるを得ない「借金漬け労働」と批判される要因の一つでした。一部では、日本の監理団体が送出機関にキックバックを要求するなどの構造的な問題も指摘されており、制度全体の信頼性を損なっていました。
- 監理団体の機能不全:実習実施企業を監督・指導する役割を担う監理団体が、必ずしもその機能を十分に果たしておらず、不正行為を見逃したり、実習生の保護よりも企業の意向を優先したりする事例が後を絶ちませんでした。
- キャリアパスの不明確さ:制度上、技能実習修了後のキャリアパスが明確でなく、特定技能制度など他の在留資格への移行も円滑ではありませんでした。
これらの問題は、国際的な批判も招き、政府の有識者会議は技能実習制度の「発展的解消」と、実態に即した新制度の創設を提言するに至りました。育成就労制度への移行は、これらの負の遺産と機能不全に対する必然的な対応と言えます。
育成就労制度のココが新しい!:主な特徴と変更点
育成就労制度は、技能実習制度の課題を踏まえ、多くの点で新しい仕組みや考え方が導入されています。ここでは、その主な特徴を詳しく見ていきましょう。
対象となる産業分野は?
育成就労制度の対象となる産業分野は、特定技能制度(SSW)の対象分野である「特定産業分野」と原則として一致させることが基本方針です。これにより、育成就労を通じて育成された人材が、スムーズに特定技能1号(SSW1)へ移行できる体制を目指しています。
2024年現在、特定産業分野として指定されているのは以下の16分野で、これらが育成就労産業分野の候補となります。
- 介護
- ビルクリーニング
- 工業製品製造業(旧:素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業)
- 建設
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
- 自動車運送業(2024年追加)
- 鉄道(2024年追加)
- 林業(2024年追加)
- 木材産業(2024年追加)
ただし、特定産業分野であっても「国内での育成になじまない分野」は育成就労の対象外とされる可能性があります。最終的な対象分野や各分野の詳細なルールは、今後策定される「分野別運用方針」で定められます。 また、分野ごとに外国人労働者の「受入れ見込数」が設定され、これが政府による分野別の受入れ上限管理の手段となる点も新しい特徴です。さらに、農業や漁業など季節性の高い分野においては、業務の実情に応じて派遣形態での受入れも認められる見込みです。
外国人材に求められるスキルと日本語能力
育成就労制度では、外国人労働者に対して、入国時から育成期間を通じて、段階的な技能及び日本語能力の習得が求められます。これは、単なる労働力確保ではなく、特定技能への円滑な移行を前提とした「育成」を重視し、能力の標準化を図る意図があります。
入国・就労開始時の条件
- 技能:特段の技能要件は課されていません。
- 日本語能力:就労開始前に、日本語能力試験(JLPT)N5相当(欧州共通参照枠CEFRのA1レベル)以上の試験に合格しているか、または同等の日本語講習を受講している必要があります。
育成就労期間(原則3年間)の目標と評価基準
- 育成目標:3年間の就労を通じて、特定技能1号(SSW1)と同等の技能水準及び日本語能力水準(JLPT N4相当、CEFR A2レベル)に到達すること。
- 評価マイルストーン:
- 就労開始1年経過時まで:技能検定試験「基礎級」等に合格すること。また、入国時にA1試験に合格していない場合は、この時点までに合格する必要があります。
- 本人意向による転籍時(就労1~2年超):技能検定試験「基礎級」等に合格し、かつ分野ごとに定められる日本語能力試験(A1~A2相当の範囲内)に合格していること。
- 特定技能1号(SSW1)への移行時(原則3年終了時):技能検定試験「3級」等または「特定技能1号評価試験」に合格し、かつ日本語能力試験(JLPT)N4相当(CEFR A2レベル)以上の試験に合格していること。
在留期間は原則3年ですが、試験不合格の場合でも、受入れ機関が適切に育成を行っていた等の一定の要件下で、最長1年間の延長が認められる可能性があります。なお、育成就労の在留資格では家族帯同は基本的に認められません。
「育成就労計画」とは?:認定と具体的な内容
育成就労制度の中核をなすのが、個々の外国人労働者ごとに作成・認定される「育成就労計画」です。この計画は、受入れ機関(雇用主)が作成し、新たに設立される「外国人育成就労機構(ONEFN)」による認定を受ける必要があります。この認定プロセスは、受入れ機関が負う育成・支援・労働条件に関する義務の履行を担保し、アカウンタビリティを高めるための重要な仕組みとなります。
育成就労計画には、主に以下の内容が盛り込まれます。
- 育成就労の期間(原則3年以内)
- 育成目標(従事する業務内容、習得すべき技能、目標日本語レベルなど)
- 育成内容・方法(OJT、Off-JT、日本語学習支援など)
- 労働条件(賃金、労働時間、休日など、労働基準法等を遵守したもの)
- 支援体制(生活支援、相談体制など)
- 送出機関への費用(外国人本人が支払った費用等が不当に高額でないかの確認)
この計画は、受入れ機関が負うべき育成、支援、労働条件に関する具体的な義務を明記するもので、制度運用における中心的な文書となります。
制度を支える3つの主要機関とその役割
受入れ機関(育成を行う企業など)
外国人労働者を直接雇用し、育成就労計画に基づき育成を行う企業などです。OJTや研修の提供、適正な労働条件の確保、日常生活上の支援などが求められます。
監理支援機関(新たな監督組織)
技能実習制度における「監理団体」に代わる組織です。許可制となり、外部監査人の設置が義務付けられるなど、従来の監理団体よりも基準が厳格化されます。これにより、質の向上が期待されます。受入れ機関に対する監査・指導、計画作成支援、労働者からの相談対応、職業紹介などを行います。また、受入れ機関との癒着を防ぐため、役職員の兼務禁止など、密接な関係がある場合の利益相反防止規定も強化されます。
外国人育成就労機構(ONEFN:制度の中核機関)
技能実習制度における「外国人技能実習機構(OTIT)」を改組して設立されます。育成就労計画の認定を行うほか、育成就労外国人に対する支援・保護(相談対応、情報提供等)、特に本人意向による転籍を支援する機能が新たに付与されます。さらに、特定技能1号外国人に対する相談援助業務も行うこととされ、より労働者保護に重きを置いた幅広い役割を担います。
「転籍(転職)」はどう変わる?:条件と影響
育成就労制度における最も注目すべき変更点の一つが、転籍に関する規定です。技能実習制度では原則として認められなかった、労働者本人の意向による職場変更が、一定の条件下で可能となります。この転籍ルールは、労働者の権利保護強化(技能実習制度の欠陥是正)という目的と、雇用主側の懸念(人材流出リスク、育成投資の回収)や地域間・企業間の人材偏在といった課題との間でバランスを取ろうとするものです。
本人意向による転籍が認められる主な条件
- 最低就労期間:同一の受入れ機関において、分野ごとに定められる一定期間(当面は「1年から2年の範囲」で設定、1年超での転籍を目指しつつ分野により延長の可能性あり)を超えて就労していること。なお、1年を超える期間を設定する場合は、1年経過後の昇給等の待遇向上を図る仕組みも検討されています。
- 技能・日本語能力:技能検定試験「基礎級」等に合格していること、かつ、分野ごとに設定される日本語能力試験(「A1~A2相当」の範囲内)に合格していること。
- 業務範囲:転籍先での業務が、転籍前の育成就労計画で定められた業務と同一の「業務区分」内であること。
受入れ機関の倒産や虐待など「やむを得ない事情」がある場合の転籍も、従来より範囲が拡大・明確化される予定です。また、転籍時に発生する費用(例:転籍前の受入れ機関が負担した初期費用)について、正当な補填を受けられる仕組みも検討されています。
この転籍制度の導入は、労働者の権利保護を強化する一方で、雇用主にとっては育成した人材が1~2年で流出するリスク、地域間では地方から都市部への人材偏在の懸念も生じさせています。
特定技能(SSW)資格へのステップアップ
特定技能1号(SSW1)への移行条件
原則として3年間の育成就労計画を修了し、かつ以下の試験に合格することが必要です。
- 技能試験:技能検定3級等、または特定技能1号評価試験
- 日本語能力試験:JLPT N4相当(CEFR A2レベル)以上
育成就労期間中であっても、これらの試験に合格し、一定期間就労していれば早期にSSW1へ移行することも可能です。SSW1の在留期間は通算で上限5年、原則として家族帯同は認められません。
特定技能2号(SSW2)への道
SSW1からさらに熟練した技能を要するSSW2へ移行することも可能です。SSW2は在留期間の更新に上限がなく、要件を満たせば家族(配偶者、子)の帯同も可能となるため、事実上の長期・永住への道を開くものとなります。
いつから始まる?:制度施行の時期と経過措置
育成就労制度を導入するための改正法は、2024年6月21日に公布されました。制度の施行は、公布日から3年以内の政令で定める日とされており、遅くとも2027年6月20日までには開始される予定です。一部報道では2027年4月1日の施行を目指しているとも伝えられています。
制度施行後、技能実習制度が直ちに廃止されるわけではなく、約3年間の移行期間(経過措置期間)が設けられる予定です。この期間中は両制度が並存し、完全な移行は2030年頃になる見通しです。 経過措置として、施行日時点で既に技能実習生として日本に在留している者については、基本的に、現行の技能実習計画に基づいて実習を継続することが可能です。また、一定の条件下で次の段階(技能実習1号から2号へ、2号から3号へ(限定的))へ移行することも認められますが、注意点として、技能実習から育成就労へ移行することはできません。
関係者の声:期待と懸念
育成就労制度の導入は、様々な立場の人々にとって異なる意味合いと影響を持ちます。
政府が目指すもの
政府は、この制度改革により、技能実習制度の問題点を解消し、外国人材にとって魅力的で持続可能な受入れシステムを構築することを目指しています。明確な二元的目標(人材育成と確保)、構造化されたキャリアパス、労働者の権利保護強化、共生社会の推進などを主な利点として挙げています。
雇用主(受入れ機関)の視点
受入れ企業にとっては、人材パイプラインの確保や初期コミュニケーションの円滑化といった機会が期待される一方、採用コストの増加、人材流出リスク、育成・支援体制の強化といった負担や懸念も存在します。特に、賃金水準で劣る傾向にある地方企業や中小企業からは、転籍による人材流出に対する強い懸念が示されています。経済団体からは、企業が果たすべき役割として、賃上げ努力、多言語マニュアルの整備、人権保護の強化、キャリアプランの提示、生活支援の充実などに関する提言も出ており、受入れ側にも変化が求められています。
外国人労働者にとってのメリット・デメリット
労働者本人にとっては、長期的なキャリアパスの明確化や、権利保護の向上といった潜在的な利点があります。来日時の借金負担が軽減される可能性もありますが、これは送出し国との二国間協力覚書(MOC)の締結や手数料の透明化・適正化が実効性を持つかどうかにかかっています。一方で、転籍要件のハードル(1~2年の最低就労期間や試験合格)、試験合格へのプレッシャー、依然として残る搾取リスク、育成就労および特定技能1号期間中の家族呼び寄せ制限など、脆弱性や課題も残されています。
労働組合などの見解
労働組合や弁護士会などは、制度の方向性自体は一定評価しつつも、多くの懸念点を指摘し、労働者保護の観点からより厳格な運用と制度改善を求めています。具体的には、制度が単なる安価な労働力確保策とならないこと、日本人労働者との均等待遇(同一労働同一賃金)の徹底、より柔軟な転籍(例:1年経過後は原則自由化など)、実効性のある監督・支援体制の構築、人権侵害の根絶などを強く要求しています。
今後の課題と将来展望
育成就労制度は、日本の外国人労働者政策における大きな一歩ですが、その成功には多くの課題克服が必要です。
乗り越えるべき主な課題
- 実効性のある人権保護と搾取防止策の確立:制度の核心的目標ですが、過去の技能実習制度での失敗を踏まえ、ONEFNや監理支援機関による監督・支援の実効性が問われます。形式だけでなく、現場レベルでの人権意識の向上が不可欠です。
- 名目だけでなく実質的な技能育成の担保:計画通りの育成が行われ、労働者が確実にスキルアップできる仕組み作りと、その履行状況の確認が重要です。
- 送出し国におけるブローカー問題と高額手数料問題への対応:二国間協力覚書(MOC)などを通じた実効性のある対策が急務です。送出し国政府との連携強化と、手数料の透明化・適正化に向けた具体的なルール作りが求められます。
- 転籍に伴う地域間・企業間の人材偏在の管理:地方公共団体も参画する地域協議会などを活用した対策が計画されていますが、都市部への人材流出を防ぎ、地方の人手不足解消にも繋がるような効果的な運用が求められます。
- 新たな監督・支援機関(ONEFN、監理支援機関)の実効性確保:制度の成否を左右する重要な要素であり、独立性・専門性の確保と厳格な運用が不可欠です。十分な人員と予算を確保し、現場の状況を的確に把握・指導できる体制を構築する必要があります。
これらの課題解決の成否は、今後の運用と不断の見直しにかかっています。
制度の将来と日本の未来
育成就労制度は、特定技能制度との連携を強化し、外国人労働者のより長期的なキャリア形成を視野に入れた点で、従来の制度から大きく前進しました。しかし、留意すべき点として、この制度改革と並行して、永住許可の要件を明確化し、納税義務等の不履行を理由とする許可取消事由を追加するなど、永主許可制度の厳格化も進められています。これは、労働力確保の必要性から外国人材の受け入れを促進する一方で、長期的な移民や定住に対してはより慎重な管理を維持しようとする、日本の外国人材政策における複雑なバランス感覚を示唆している可能性があります。 国際的な人材獲得競争が激化する中、この新制度が日本の魅力を高め、「選ばれる国」となるための十分な改革と言えるか、今後の運用実績を通じた検証が不可欠です。
おわりに:外国人材との共生社会実現への一歩として
育成就労制度は、日本の外国人労働者政策における重要な転換点です。深刻化する労働力不足に対応しつつ、外国人材の人権を保護し、より良いキャリアパスを提供することを目指しています。しかし、制度設計の精緻さだけでなく、現場における厳格かつ公正な運用、関係機関の効果的な機能、送出し国との実効性ある連携、そして社会全体の受入れ環境整備が伴わなければ、その目的を達成することはできません。特に、技能実習制度で繰り返された人権侵害や不当な費用徴収を確実に防止し、実質的な「育成」を担保できるかどうかが、制度の信頼性を左右する鍵となります。この新制度が、日本と外国人材双方にとって実りあるものとなり、真の共生社会実現への礎となることを期待されます。今後の動向を注意深く見守り、必要に応じて制度を見直していく柔軟性も求められるでしょう。