
千葉県内で建設業を営む事業者にとって、建設業許可の取得と維持は事業継続の根幹に関わる重要な手続きです。しかし、許可制度は複雑で、要件や手続きは法改正によって変更されることもあります。この記事では、千葉県の「建設業許可の手引き」や関連情報をもとに、許可が必要となるケース、許可の種類、取得に必要な5つの要件、申請から取得までの流れ、費用、そして許可取得後の注意点まで、建設業許可に関するあらゆる情報を網羅的に、そして分かりやすく解説します。コンプライアンスを確保し、円滑な事業運営を行うためにも、ぜひ本記事をご活用ください。
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千葉県の建設業許可とは? なぜ必要?
千葉県内で建設業を営む場合、建設業法に基づき、原則として「建設業許可」を取得する必要があります。これは、元請・下請、法人・個人を問わず、建設工事の完成を請け負う営業を行うすべての事業者に適用されます。 許可制度の目的は、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発展を促進することにあります。許可を取得することで、事業者は一定の技術力、経営力、財産的基礎、誠実性を有していることを公的に証明でき、社会的信用を得ることができます。
許可が不要な「軽微な建設工事」とは
ただし、全ての建設工事に許可が必要なわけではありません。「軽微な建設工事」のみを請け負う場合は、許可は不要です。軽微な建設工事とは、具体的に以下の基準に該当する工事を指します。
- 建築一式工事以外の場合
- 1件の請負代金が500万円未満(消費税込み)の工事。
- 建築一式工事の場合
次のいずれかに該当する工事。- 1件の請負代金が1,500万円未満(消費税込み)の工事。
- 延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事。
ここでいう「請負代金」には注意が必要です。注文者が材料を提供する場合、その市場価格や運送費も請負代金に加算されます。また、1つの工事を複数の契約に分割しても、正当な理由がない限り、各契約の合計額で判断されます。これらの基準を超える工事を請け負う可能性がある場合は、建設業許可の取得が必要となります。
建設業許可の種類:知事許可と大臣許可
建設業許可は、営業所の設置状況によって「知事許可」と「国土交通大臣許可」の2種類に大別されます。申請窓口も異なります。千葉県知事許可は、主たる営業所の所在地を管轄する千葉県の土木事務所に申請しますが、大臣許可は関東地方整備局に直接申請する必要があります。
- 千葉県知事許可
- 建設業を営む営業所が千葉県内にのみ存在する場合に必要な許可です。県外の工事を請け負う場合でも、営業所が千葉県内だけであれば知事許可となります。
- 国土交通大臣許可
- 建設業を営む営業所が、千葉県を含む2つ以上の都道府県に存在する場合に必要な許可です。例えば、千葉県と東京都にそれぞれ営業所を置く場合などが該当します。
ここでいう「営業所」とは、本店や支店、または常時建設工事の請負契約を締結する事務所を指します。単なる登記上の本店や連絡事務所、工事事務所などは含まれません。
建設業許可の種類:一般建設業と特定建設業
建設業許可は、請け負う工事の規模や下請契約の状況に応じて、「一般建設業許可」と「特定建設業許可」にも区分されます。特定建設業許可は、大規模な工事において下請業者を保護する観点から、一般建設業許可よりも厳しい財産要件などが課せられています。許可は業種ごとに取得するため、ある業種では一般、別の業種では特定という形で許可を持つことも可能です。
- 一般建設業許可
- 特定建設業許可が必要ない工事のみを施工する場合に取得する許可です。軽微な建設工事を超える工事を請け負う場合に必要となります。下請として工事を請け負う場合や、元請であっても下請に出す金額が下記の特定建設業の基準未満であれば、一般建設業許可で対応可能です。
- 特定建設業許可
発注者から直接請け負った(元請となった)1件の建設工事について、下請契約の総額が一定基準以上になる場合に必要となる許可です。- 建築一式工事以外
下請契約の合計額が5,000万円(消費税込み)以上。※2025年2月1日施行の改正により4,500万円から引き上げられました。 - 建築一式工事
下請契約の合計額が8,000万円(消費税込み)以上。※2025年2月1日施行の改正により7,000万円から引き上げられました。
- 建築一式工事以外
許可が必要な29の建設業種
建設業許可は、以下の29の業種に分類されており、許可を受けたい業種ごとに申請が必要です。一つの許可で全ての種類の工事ができるわけではありません。例えば、「土木一式工事」の許可だけでは、500万円以上の「舗装工事」を単独で請け負うことはできません。各業種の内容や該当する工事の例、類似業種との区分の考え方については、千葉県の「建設業許可の手引き」に詳細が記載されています。
- 土木工事業(土木一式工事)
- 建築工事業(建築一式工事)
- 大工工事業
- 左官工事業
- とび・土工工事業
- 石工事業
- 屋根工事業
- 電気工事業
- 管工事業
- タイル・れんが・ブロック工事業
- 鋼構造物工事業
- 鉄筋工事業
- 舗装工事業
- しゅんせつ工事業
- 板金工事業
- ガラス工事業
- 塗装工事業
- 防水工事業
- 内装仕上工事業
- 機械器具設置工事業
- 熱絶縁工事業
- 電気通信工事業
- 造園工事業
- さく井工事業
- 建具工事業
- 水道施設工事業
- 消防施設工事業
- 清掃施設工事業
- 解体工事業(※2016年6月1日新設)
建設業許可を取得するための5つの要件
千葉県で建設業許可(一般・特定、知事・大臣問わず)を取得するには、以下の5つの主要な要件をすべて満たす必要があります。
1. 経営業務の管理体制
建設業の経営経験を持つ人物を、適切な役職(常勤役員等)に配置し、適正な経営体制を整えていることが求められます。 具体的には、以下のいずれかのパターンを満たす必要があります。この要件は、2020年の法改正で変更された点であり、単に経験者がいれば良いというわけではなく、組織としての管理体制が問われます。証明には、役員であった期間を示す登記事項証明書や、実際に建設業を営んでいたことを示す契約書、許可通知書などが確認資料として必要です。
- パターン1
常勤役員等のうち1名が、以下のいずれかの経験を持つ。- 建設業に関し5年以上の経営業務管理責任者(役員など)としての経験。
- 建設業に関し5年以上の経営業務管理責任者に準ずる地位(権限委任を受けた執行役員等)での経験。
- 建設業に関し6年以上の経営業務管理責任者を補佐した経験。
- パターン2
- 常勤役員等のうち1名が一定の役員経験を持ち、かつ、その役員を直接補佐する者(財務管理・労務管理・業務運営の各分野で5年以上の経験を持つ者)をそれぞれ配置する。
2. 営業所ごとの営業所技術者等(旧専任技術者)配置
許可を受けようとする業種について、一定の資格や実務経験を持つ「営業所技術者等」を、営業所ごとに「常勤」で配置する必要があります。 営業所技術者等になるための要件は、一般建設業と特定建設業で異なります。
証明には、資格者証、卒業証明書、実務経験証明書(様式第九号)、指導監督的実務経験証明書(様式第十号)及びそれらの裏付けとなる契約書や注文書、そして常勤性を証明する健康保険証の写しなどが必要です。千葉県では実務経験証明書の確認資料として、原則1年につき1件以上の工事実績が求められます。
- 一般建設業(営業所技術者)
以下のいずれか。- 指定学科(高校卒なら5年、大学・高専卒なら3年)+実務経験。
- 10年以上の実務経験。
- 国家資格等(例:2級施工管理技士、第2種電気工事士など。一部資格は実務経験も必要)。
- 2023年の改正により、技術検定の第一次検定合格者も学歴と同様に扱われる場合があります。
- 特定建設業(特定営業所技術者)
以下のいずれか(指定建設業7業種は(1)または(3)のみ)。- 国家資格等(例:1級施工管理技士、1級建築士、技術士)。
- 一般建設業の要件を満たし、かつ元請として4,500万円以上の工事で2年以上の指導監督的実務経験。
- 国土交通大臣による特別認定。
3. 誠実性
許可申請者(法人役員、個人事業主、支店長などを含む)が、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかでないことが求められます。 過去に建築士法や宅地建物取引業法などで不正行為により免許取消処分を受けた場合、その最終処分日から5年を経過しないと許可は受けられません。通常は「誓約書」(様式第六号)を提出します。
4. 財産的基礎または金銭的信用
建設工事を請け負い、完成させるために必要な財産的基礎または金銭的信用を有していることが必要です。証明には、直近の決算書(財務諸表)や、必要に応じて金融機関発行の残高証明書(発行後1ヶ月以内のもの)などが必要です。
- 一般建設業
以下のいずれかを満たすこと。- 直前の決算で自己資本(純資産合計)が500万円以上。
- 500万円以上の資金調達能力(金融機関の預金残高証明書や融資証明書で証明)。
- 許可更新の場合は、直前5年間許可を受けて継続して営業した実績。
- 特定建設業
以下のすべてを満たすこと(非常に厳しい基準です)。- 欠損の額が資本金の20%以内。
- 流動比率が75%以上。
- 資本金が2,000万円以上。
- 自己資本(純資産合計)が4,000万円以上。
5. 欠格要件に該当しないこと
許可申請者やその役員等が、建設業法第8条に定められた欠格要件に該当しないことが必要です。主な欠格要件は以下の通りです。これらの欠格要件に該当しないことを証明するために、役員等の「身分証明書」(本籍地の市町村発行)や「登記されていないことの証明書」(法務局発行)などの提出が必要です。
- 許可申請書や添付書類に虚偽記載がある、または重要な事実の記載が欠けている。
- 役員等が、精神の機能障害により適正な業務遂行ができない状態にある。
- 役員等が、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない。
- 不正な手段で許可を取得した等により、許可を取り消され、その日から5年を経過しない。
- 許可取消を避けるために廃業届を出し、その日から5年を経過しない。
- 建設業法違反等により営業停止を命じられ、その期間中である。
- 禁錮以上の刑に処せられ、刑の執行が終わるか、執行を受けなくなってから5年を経過しない。
- 建設業法、建築基準法、労働基準法等の一定の法律に違反し、罰金刑を受けてから5年を経過しない。
- 暴力団員である、または暴力団員でなくなってから5年を経過しない。
- 暴力団員等が事業活動を支配している。
千葉県での建設業許可申請手続きの流れ
千葉県知事許可を新規で申請する場合の大まかな流れは以下の通りです。近年では、国のシステム(JCIP)を利用した電子申請も可能になっています。手続きの詳細は国土交通省のウェブサイト等で確認できます。
- 要件確認と書類準備
- まず、自社が5つの許可要件(経営体制、技術者、財産、誠実性、欠格要件)を満たしているかを確認します。同時に、最新の「建設業許可の手引き」を入手し、申請に必要な書類(申請書様式、添付書類、確認資料)をリストアップし、収集・作成を開始します。特に、経営経験や実務経験の証明には時間がかかることがあるため、早めの準備が肝心です。
- 申請書類の作成
- 千葉県のウェブサイトから最新の申請書様式をダウンロードし、手引きの記載例を参考に正確に記入します。手書きの場合は黒のボールペン等を使用し、修正液等は使えません。
- 手数料の準備
- 申請区分に応じた手数料額を確認し、千葉県収入証紙を購入します。証紙は多くの土木事務所や県庁生協などで購入できます。
- 申請書類の提出
- 作成した申請書類一式(通常、正本1部、副本1部、控え1部の計3部)と確認資料を、主たる営業所の所在地を管轄する土木事務所の総務課窓口に提出します。郵送での提出も可能ですが、返信用封筒の同封など注意点があります。
- 審査
- 土木事務所及び県庁建設・不動産業課にて、提出された書類の内容が審査されます。書類の不備や記載内容について確認の連絡が入ったり、補正を求められたりすることがあります。
- 許可通知
- 審査の結果、問題がなければ許可となり、許可通知書が郵送(特定記録郵便)で送付されます。申請から許可までの標準処理期間は、書類に不備がない場合で約45日間です。
申請に必要な書類と確認資料
建設業許可申請には、非常に多くの書類が必要です。大きく分けて「申請書類(閲覧対象)」「申請書類(非閲覧対象)」「確認資料」の3種類があります。これらの書類は申請区分(新規、更新、業種追加など)や申請者の状況(法人か個人か、一般か特定かなど)によって必要なものが異なります。必ず最新の「建設業許可の手引き」の「建設業許可申請書類・確認資料一覧表」で確認し、漏れなく準備する必要があります。
主な申請書類(例)
- 建設業許可申請書(様式第一号)
- 役員等の一覧表(様式第一号別紙一)※法人
- 営業所一覧表(様式第一号別紙二(1)または(2))
- 営業所技術者等一覧表(様式第一号別紙四)
- 工事経歴書(様式第二号)
- 直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第三号)
- 使用人数(様式第四号)
- 誓約書(様式第六号)
- 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書(様式第七号)またはこれに準ずる書類
- 常勤役員等略歴書(様式第七号別紙など)
- 営業所技術者等証明書(様式第八号)
- 実務経験証明書(様式第九号)※必要な場合
- 指導監督的実務経験証明書(様式第十号)※特定・必要な場合
- 健康保険等の加入状況(様式第七号の三)
- 財務諸表(様式第十五号~第十九号)
- 定款(法人)
- 登記事項証明書(法人)
- 身分証明書(役員等)
- 登記されていないことの証明書(役員等)
- 納税証明書(法人事業税または個人事業税)
主な確認資料(例)
- 役員等の住民票
- 営業所の写真、賃貸借契約書等
- 経営業務の管理責任者等の常勤性・経験の確認資料(健康保険証写し、契約書等)
- 営業所技術者等の常勤性・資格・経験の確認資料(健康保険証写し、資格者証写し、卒業証明書、契約書等)
- 財産的基礎の確認資料(預金残高証明書等)※必要な場合
- 健康保険等の加入状況の確認資料(保険料領収書写し等)
許可申請にかかる手数料
建設業許可の申請には、法定の手数料が必要です。手数料額は、申請の種類(新規、更新、業種追加など)や許可区分(知事/大臣、一般/特定)によって異なります。
千葉県知事許可の主な手数料
- 新規申請
- 一般建設業または特定建設業のいずれか一方: 90,000円
- 一般建設業と特定建設業の両方を同時申請: 180,000円
- 更新申請
- 一般建設業または特定建設業のいずれか一方: 50,000円
- 一般建設業と特定建設業の両方を同時申請: 100,000円
- 業種追加申請
- 一般建設業または特定建設業のいずれか一方を追加: 50,000円
- 一般建設業と特定建設業の両方を同時追加: 100,000円
納付方法
千葉県知事許可の場合は、上記金額分の千葉県収入証紙を購入し、申請書の所定の欄(証紙貼付用紙)に貼り付けて納付します。収入証紙は、県庁、各土木事務所、市町村役場などで購入できます。
注意点
- 大臣許可の場合は手数料額や納付方法(収入印紙や登録免許税)が異なります。
- 更新と業種追加を同時に行う場合など、組み合わせによって手数料が変わることがあります。手引きで正確な金額を確認してください。
- 納付した手数料は、審査の結果、不許可となった場合や申請を取り下げた場合でも返還されません。
許可の有効期間と更新手続き
建設業許可には有効期間があり、継続して事業を行うためには更新手続きが必要です。許可の有効期間管理と期限内の更新手続きは、建設業許可を維持する上で非常に重要です。更新忘れは許可失効に直結するため、十分な注意が必要です。
- 有効期間
- 許可のあった日から5年間です。有効期間の末日が土日祝日でも、その日で満了します。
- 更新申請期間
- 有効期間満了後も許可を維持したい場合は、有効期間が満了する日の90日前から30日前までの間に更新申請を行う必要があります。この期限を過ぎると、原則として更新は認められず、許可は失効します。やむを得ない理由で遅れた場合は、始末書の提出が必要です。
- 更新手続き
- 新規申請時と同様に、許可要件(経営体制、技術者、財産等)を引き続き満たしていることを証明する書類を提出し、審査を受ける必要があります。
- 更新の前提
- 更新申請を行うためには、毎事業年度終了後の変更届(決算報告)や、役員・所在地等の変更届が全て提出済みであることが必須です。未提出の届出があると更新申請は受理されません。
- 許可番号
- 更新が認められれば、基本的に同じ許可番号が引き継がれます。しかし、有効期間が切れて新規で再取得する場合は、許可番号が変わります。
- 更新と業種追加等の同時申請
- 知事許可の場合、更新と同時に業種追加などを行う場合は、有効期間満了の60日前までに申請する必要があります。
許可取得後の注意点と届出義務
建設業許可を取得した後も、法令遵守と適切な届出が求められます。これらの義務を怠ると、指示処分、営業停止、さらには許可取消といった監督処分の対象となる可能性があります。
- 標識の掲示
- 許可業者は、営業所と工事現場(元請工事)の見やすい場所に、定められた様式の標識(許可票)を掲示する義務があります。
- 契約書の作成
- 建設工事の請負契約を締結する際は、工事内容、金額、工期、支払い方法、責任の所在など法定の事項を記載した書面を作成し、署名または記名押印の上、相互に交付しなければなりません。
- 一括下請負(丸投げ)の禁止
- 請け負った建設工事を、実質的に関与せず一括して他社に請け負わせることは原則禁止です。公共工事では全面的に禁止されています。
- 技術者の配置
- 工事現場には、主任技術者または監理技術者を配置しなければなりません。一定金額以上の公共性のある工事では、専任配置が求められます。
- 毎事業年度終了後の変更届(決算報告)
- 事業年度が終了したら、4ヶ月以内に、工事経歴書、財務諸表、納税証明書などを添付した変更届出書を提出する必要があります。これを怠ると更新申請ができません。
- 変更事項の届出
- 商号、所在地、資本金、役員、経営業務の管理責任者、営業所技術者、健康保険等の加入状況などに変更があった場合は、変更内容に応じて14日以内または30日以内に、所定の様式で変更届を提出しなければなりません。
- 廃業届
- 許可を受けた建設業の全部または一部を廃止した場合、個人事業主が死亡した場合、法人が解散した場合などは、30日以内に廃業届を提出する必要があります。
近年の制度改正について(電子申請など)
建設業許可制度は、社会情勢の変化に合わせて見直されています。近年の千葉県における主な変更点は以下の通りです。これらの改正に対応するため、常に最新の情報を千葉県の公式ウェブサイトや「建設業許可の手引き」で確認することが不可欠です。
- 技術者要件の緩和
- 2023年7月1日より、第一次検定合格者を指定学科卒業と同等とみなすなど、営業所技術者等の実務経験要件が緩和されました。
- 金額要件の変更
- 2025年2月1日より、特定建設業許可が必要となる下請代金額や、技術者の専任配置が必要となる請負金額が引き上げられました。
- 電子申請の導入
- 2023年1月10日より、国の「建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)」を利用した電子申請が可能になりました。これにより、窓口に出向く必要がなくなり、一部書類の省略も可能になる場合があります。
- 押印の見直し
- 多くの申請書類や届出書類で押印が原則不要となりました。ただし、契約書など一部の確認資料では引き続き押印が必要です。
- 社会保険加入の確認
- 健康保険・厚生年金・雇用保険への適切な加入が許可要件の一部として確認されるようになり、加入状況を示す書類(様式第七号の三や確認資料)の提出が求められます。
まとめ
千葉県で建設業許可を取得・維持するためには、建設業法に定められた要件を正確に理解し、最新の手引きに基づいた適切な手続きを踏むことが重要です。経営体制、技術者、財産的基礎、誠実性、欠格要件の5つの要件を満たし、膨大な申請書類・確認資料を不備なく準備する必要があります。また、許可取得後も、毎年の決算報告や変更事項の届出、法令遵守を継続しなければなりません。手続きは複雑であり、最新情報の確認が不可欠なため、不明な点は管轄の土木事務所や建設・不動産業課に問い合わせるか、専門家である行政書士に相談することも有効な手段です。
参考資料
コラム:千葉県庁とは
首都圏の一翼を担い、日本の空の玄関口である成田国際空港や、豊かな農水産資源、三方を海に囲まれた多彩な観光地を有する千葉県。その県政全般を総合的に推進し、約630万人の県民の暮らしと地域経済を支える中心的な役割を担っているのが「千葉県庁」です。今回は、県民生活の向上と持続可能な発展を目指す千葉県庁の役割や組織についてご紹介します。
県民生活と地域社会を支える多様な施策
千葉県庁は、県民の福祉・医療・子育て支援の充実、教育・文化の振興、成田空港を核とした国際的な交流や物流機能の強化、特色ある農林水産業や商工業の振興、九十九里浜や房総の豊かな自然環境の保全、そして地震や風水害などの自然災害に備える防災・減災対策など、県民生活の基盤となる非常に幅広い分野で行政サービスを提供し、重要な政策を推進しています。
県庁の組織と千葉市の本庁舎
千葉県庁の組織は、県の行政運営の最高責任者である知事をトップとする執行機関(知事部局:各部局がそれぞれの専門分野を担当)を中心に構成されています。これらに加え、県の条例や予算などを審議・決定する議決機関としての「千葉県議会」や、教育、公安、人事などを担当する独立性の高い「行政委員会」(教育委員会、公安委員会など)が設置されています。千葉県庁の本庁舎は千葉市中央区市場町にあり、本庁舎、中庁舎、南庁舎といった複数の建物に県の主要な部署が集まっています。県政の中枢機能を持つと同時に、県民への情報発信や各種相談・手続きの窓口としての役割も果たしています。
コラム:建設業法とは
私たちの社会基盤や生活空間を形作る上で欠かせない建設工事。その工事が適正に行われ、品質が確保されるように、また工事を発注する人が安心して契約できるように、そして建設業という産業自体が健全に発展していくように――。これらの目的のために制定された基本的な法律が「建設業法」です。今回は、建設業に関わる上で必ず知っておくべき、この法律の概要について解説します。
法律の目的と建設業許可制度
建設業法の主な目的は、大きく分けて3つあります。第一に「建設工事の適正な施工を確保すること」、第二に「発注者を保護すること」、そして第三に「建設業の健全な発達を促進すること」です。この目的を達成するための根幹となる制度が「建設業許可制度」です。原則として、一定金額以上の建設工事を請け負う場合(軽微な建設工事を除く)は、工事の種類(業種)ごとに、国土交通大臣または都道府県知事から建設業の許可を受けなければなりません。この許可制度により、建設業を営む者の資質がある程度担保され、発注者の保護につながっています。
適正な施工体制と公正な取引のために
建設業法は、許可制度に加えて、実際の工事の進め方や契約に関するルールも定めています。工事現場の品質・安全管理を徹底するため、一定の資格や経験を持つ「主任技術者」または「監理技術者」を配置することを義務付けています。また、契約内容を明確にするための書面契約の義務化や、元請負人から下請負人への不当に低い請負代金の強要や支払遅延の禁止など、公正な取引関係を確保し、立場の弱い下請負人を保護するための規定も設けられています。これらのルール全体で、建設工事の品質と安全を守り、業界の健全化を図っているのです。